『カーテンは吊ってナンボ』の世界ですよ・・・・とよくお話しすることがあるのですが、何が言いたいかというと、いくら高級な生地を使っても、その縫製が悪かったり、取付方法が悪かったりすると決して良い出来上がりになる訳がなく、また逆に、安価な生地であっても、縫製や取付でその出来栄えは格段に良くなるものなのです。
また、違う見方をすると、同じ生地であっても、その縫製や取付施工で同じ生地とは思えないほど出来栄えが違ってきます。
ですから、カーテンはお客様のお宅に吊り下げて、初めてその価値を評価できるものなのです。

上の写真は暗くてほとんど解りませんが、ドレープ(厚地)、レース(薄地)ともに形状記憶加工を施し、きれいなプリーツを生み出している例です。


ドレープ生地は、フジエテキスタイルのFA6200。葉柄が横向きで散りばめられた、打込みの良いジャガード生地で、柄や色は他にはない個性豊かなものなのですが、なんせ横糸が強く、普通に縫製しただけですと、裾に向かってガバーッと開いてしまう暴れん坊です!
以前は、丈の短い時は良いのですが、丈が長いカーテンの場合は、欠点をお伝えし別の生地に変更することも多々ありました。
しかし、現在では、真空釜による形状記憶加工をほどこすことで、写真の様に美しいプリーツのカーテンを作ることが出来ます。しかも、その効果はお洗濯をしても変わることはありません。(一般的な、形態安定といわれている加工の場合は、2~3度のお洗濯でその効果は失われます。)

レースカーテンも形状記憶加工で丸みのある美しいプリーツが表現できています。こちらも、ハリの強いオーガンジー地に刺繍が施されているタイプで、普通に縫製しただけでは写真のようなきれいなウェーブは生まれないのです。
これらの美しいプリーツを生み出しているマシンはこちらの真空釜です。
当社の提携加工所に設置されています。

丸い筒状の窯の中に、波型の型紙に挟んだカーテン生地を入れて、ポリエステルの熱可塑性を利用し、形状を記憶させます。

カーテンの縫製工程の途中でこのような加工をすることで、美しいカーテンが生まれるのです。
当社では、生地の特性上ウェーブの出ずらい生地や、遮光生地のように横ハリが強い生地には、このような加工を施しています。『カーテンは吊ってナンボ』の商材であり、また、末永く美しいプリーツを楽しんでいただくために・・・。